ドライアイスを使用したREM、REUSE用洗浄装置の開発

キヤノン(株)環境技術センター

環境技術第一開発課 松久 裕英

 キヤノンは、環境対応の基本方針として省エネ、省資源、有害物質排除をうたっている。使用済み製品のリサイクル推進は、省資源の一環として取組んでおり、1990年より開始したトナーカートリッジのリサイクルや1992年より開始した複写機のリマニュファクチャリング(REM)等今までに数々の実績を積んできている。本検討では、「循環型社会形成推進基本法」を始めとする昨今の3R推進のなかで、REM製品やREUSE部品を作り上げてゆく上で経済的・品質上でのネックとなる清掃・洗浄工程の低コスト化、高性能化、作業環境の改善を目的とする。

 従来、REM複写機やREUSE用部品は、回収製品から人手によって分解・分別された後、エアブロー、手拭き洗浄されており、複雑なユニット部品等ではかなりの工数がかかっているとともに、洗浄品質においても十分なものとはいえなかった。この改善のために、従来の洗浄液を用いたコンベンショナルなwet洗浄では、洗浄装置代が高い、多種類の材料への適応が難しい等の欠点があり適応は難しい。そこでdry洗浄系の技術に着目し、その中でも投射材が昇華性のドライアイスを用いたブラスト洗浄を取り上げ装置化を図った。このドライアイスブラスト洗浄装置における技術ポイントとして

1. 従来のドライアイスを用いた洗浄システムでは、噴射ガンと集塵機能が一体化していないため、汚染物の飛散等作業環境が悪くなりがちであったが、これを一体化することにより作業環境、被洗浄物ともにクリーンな環境で扱える。

2. 投射材は昇華性のドライアイスであるため、被洗浄物表面に残留がなく、また様々な材質の被洗浄物に対するケミカルアタックは皆無に近い。また多種類の被洗浄物を同時に洗浄することが可能。

3. 投射材のドライアイスを程よい形状に粉砕した微粒子で被洗浄物に投射するので、微細な部分や、複雑な形状の被洗浄物の洗浄も可能。

4. 汚れの程度によっては、補助洗浄剤を同時に噴霧することが可能であり、トナー等の焼きつきやタバコのヤニ等の通常の洗浄剤でも落とし難い汚れへの対応も可能である。

5. 洗浄モードをエアー、ドライアイス、補助洗浄剤、ドライアイス+補助洗浄剤の4モードより適宜選択でき、より経済的な洗浄を行なうことが可能である。

のような点を挙げることができる。

 今回開発したCOドライ洗浄装置では、キヤノンにおける複写機REMの実績値として作業工数で▼40%、洗浄コストで▼20%程度の数字がででおり、且つ洗浄品質においても、従来洗浄されにくかった微細な部分の洗浄も可能となり、大幅な洗浄品質UPが可能となった。本装置は、多拠点において変種変量生産を余儀なくされている事務機、家電等のREM製品や、REUSE部品のうち多種材から構成される複雑な形状のユニット部品の洗浄装置として、日水化工(株)を通して2001年7月より外販している。

     (これは、「第13回JICC洗浄技術セミナー」より、講師のご好意で
      作成頂きました“要旨”です。)


PRTR法への中小企業の対応実態と問題点について(講演要旨)

中小企業総合事業団

環境安全対応専門員 平田 淳一

1. PRTR法の概要

 PRTR法は法律、政令、省令がすでに公布され一部を除いては施行されているが、大別するとPRTR制度とMSDS制度がある。PRTR制度については、対象化学物質の物質群の化学物質(例えば亜鉛水溶性化合物のようにすべての対象物質が明記されていないもの)に関する質問が多く寄せられている。水溶性の定義、化合物に含まれる単体物質の比率等を説明し回答している。また対象事業者の要件である23業種、常用雇用者数21名以上等についても多くの質問があり、質問される事業者の実態を聞きながら回答している。特に対象物質の取扱量により届出の対象となるか否かについては、中小企業で使用する原材料中に含まれる対象物質の含有量が明示されていない場合には、判断が出来ないケースもありメーカーからの情報提供が不足している場合が多い。メーカーのMSDSで対象物質の情報(含有率)を的確に提供する必要がある。

 その他製品の要件として除外されるもので、固形物、密閉されたまま使用される製品、再生資源(有価物であること)等についても解釈に注意を要する。

 MSDS制度についてはPRTR法、労働安全衛生法、毒物劇物取締法で別々に規制されているため、日化協でMSDS作成指針(改訂版)を本年11月に発行し、共通で使用できる様式を推奨している。

2. 秘密情報の取扱いについて

 PRTR制度の排出量等の届けを提出する際に、企業秘密に属する物質名を対応化学物質分類名で届けるための手続きに関する省令案が経済産業省から出されている。基本的な考え方としてPRTR制度の目的に沿うよう、客観的な基準に照らして、厳格かつ限定的に行うことが必要とされている。

3. 中小企業からの相談から見た対応実態

 今年度の相談内容を見ると、「PRTRの算出・届出」が全体の28%で最も多く、次いで「PRTR法令・対象物質・事業者・製品等」が26%となっており、さらに「MSDSの作成・活用」が23%あった。平成12年度と比較すると「PRTRの算出・届出」が多くなってきている。4月からPRTR制度のデータの把握が必要になっているため、排出量等の算出に関する情報提供を要請されるケースが多くなってきている。

 塩素系有機溶剤等に関する相談が従来から多く寄せられ、法規制への対応、洗浄剤の転換等の情報提供をしてきた。今年度の相談でも塩素系有機溶剤等に関するものが依然として寄せられ、特にISO14001の認証取得に関して、法規制への対応を検討するための情報提供を要請されることが多い。

4. Q&Aの事例

 中小企業からの相談について、いくつかの事例を取上げて実態を理解してもらう参考とした。

     (これは、「平成13年度第2回洗浄剤部会」より、講師のご好意で
      作成頂きました“要旨”です。)

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