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「洗浄技術11号」技術論文のサマリー 第11号
特集 化学品リスクに向き合う産業洗浄 Chemical Risk Management Cleaning Industry

技術論文

工業洗浄剤に使用される化学品に 対する法規制の最新動向と対応
The Leading-edge Trend of Laws and Regulations and Correspondence to the Chemicals used for Industrial Cleaning Agents
  • 株式会社旭リサーチセンター 主幹研究員
  • 新井 喜博 Arai Yoshihiro

 工業洗浄剤の化学品に対する法規制は1)地域環境(公害防止)、2)地球環境問題、3)健康・安全のためにあり、化学物質管理の進歩と共に法令も変化している。近年は地球環境問題への対応もあるが、化学物質の毒性や物性に応じた基本的な健康・安全対策も求められる。健康と環境に及ぼす影響を最小化するリスクトレードオフを基本に新たな法令への対応を進めることが望まれる。

新たなノンハロゲン非引火性洗浄剤
Halogenfree and No Flash Point Solvent Cleaner
  • 東ソー株式会社 有機化成品事業部 環境薬剤部 開発グループリーダー
  • 岩部 一宏 Iwabe Kazuhiro

 昨今、塩素系、臭素系洗浄剤は、従来より有害性の指摘が強まってきており、自主管理強化や代替洗浄剤へ転換するなどリスク対策を実施する必要性が増している。本稿では、臭素系洗浄剤を取り上げ、主成分の1?ブロモプロパンについて現在の規制動向を紹介するとともに、新たな洗浄剤としてリスクの低減されたノンハロゲン非引火性洗浄剤について解説する。

地球温暖化対策としての新洗浄剤
New Cleaning Agent, Countermeasure against Global Warming
  • 三井・デュポン フロロケミカル株式会社 技術サービスグループ 主査
  • 菊地 秀明 Kikuchi Hideaki

 デュポン社は経済の持続的成長をめざし環境調和を最大の目標として今般温暖化能力がきわめて“0”に近いHFO(Hydro Fluoro Olefin)タイプのフッ素系洗浄剤の開発に成功した。そしてこの安全性、物理的特性、経済性は従来使用されてきたフッ素系洗浄剤とほとんど変わることがない。すなわち本HFO 洗浄剤によってフッ素系洗浄剤のみならず塩素系、臭素系洗浄剤の代替が可能であり、地球環境の保全を保ちつつ持続的成長に大きく貢献することが可能である。

安全、健康、環境などへの対策をめざす真空型と密閉型洗浄装置
Vacuum Type and Airtight Type Cleaning Machine aimed at Imorovement in Safety, Health, and Environment
  • ジャパン・フィールド株式会社 取締役副社長
  • 内野 正俊 Uchino Masatoshi

 フロン・エタン全廃以降、代替洗浄剤として炭化水素系洗浄剤、アルコール系洗浄剤、フッ素系洗浄剤、塩素系洗浄剤などが使用されている。これら溶剤系洗浄剤を用いる洗浄装置は、溶剤の持つ引火性もしくは有害性や、大気への排出による環境汚染の問題に十分配慮した装置であることが求められる。本稿ではそれらの課題解決をめざす真空型および密閉型洗浄装置を紹介する。

洗浄剤に含まれる防錆成分に対する規制への対応
Correspondence to the Regulation for the Rust Prevention Ingredient included in the Cleaner
  • 株式会社ネオス 中央研究所 化学品技術部 第五課
  • 坂本 美津雄Sakamoto Mituo

 急速に進む地球規模の環境問題が懸念される中、人類が用いるさまざまな化学物質の影響が指摘され、それらに関する規制はますます厳しくなってきている。化学物質による環境問題は産業革命による近代工業とともに始まり、ヒトへの直接的な健康被害、またオゾン層破壊に代表される地球規模の生態系への影響をもたらした。今回は化学品リスクに向き合う洗浄技術として「環境」をキーワードに、産業用洗浄剤に関する規制、その中でも洗浄兼一時防錆剤とよばれる水系洗浄剤に配合される防錆成分に対する規制ならびに当社の取り組みを紹介する。



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